ロゴデザインを考える前に、私が必ずすること。

はじめに

ロゴデザインのご依頼をいただいたとき、形を考える前に必ずすることがあります。

それは、「言葉を集めること」です。

ロゴはブランドの顔として、覚えてもらうための大切な役割があります。
でも私が目指しているのは、ただ覚えてもらうことだけではありません。

そのブランドらしさが伝わること。
その人らしさまで伝わること。
10年先も「これがいい」と思えるロゴを届けること。

それが、私の目指すロゴデザインです。
だからこそ形を考える前に、その人を知るために言葉を集めます。

私が最初にすること

ご依頼者さまからお聞きした、

  • ブランドのコンセプト
  • 事業への想い
  • 大切にしていること
  • どんな人に届けたいブランドなのか
  • その人にどんな気持ちになってほしいのか
  • そのブランドと出会ったことで、どんな未来につながってほしいのか
  • 事業が目指す未来

などを、ご依頼者さまを中心に枝葉を広げるように、A4の紙いっぱいへ書き出していきます。

ご依頼者さまと初めてお話しする時間もとても大切にしていて、
その方から伝わる空気や印象を丁寧に感じ、一つひとつ言葉に置き換えます。

なぜかというと、初めてご依頼者さまとお会いした私の印象は、これからブランドに出会うお客様の第一印象に一番近いと思っているからです。

「安心感がある。」
「話していると自然と笑顔になる。」
「えくぼがチャームポイントだな。」

そんな感覚も、一つひとつ書き留めていきます。
一見、ロゴとは関係のないことのように思えるものもあるかもしれません。
でも、そうした何気ない印象こそ、その方の魅力を表現するヒントになることがあります。

さらに、

「周りからどんな人だと言われますか?」

という質問も必ずお聞きします。
自分では当たり前だと思っていることほど、その方ならではの魅力だったりするからです。
集めた言葉を紙の上に並べていくと、少しずつその方らしさの輪郭が見えてきます。
私はその輪郭が見えてきてから、ロゴの形を考え始めます。

言葉を集めると見えてくるもの

書き出した言葉を眺めていると、最初はバラバラだった言葉が、少しずつつながってくるのがわかります。

「安心」
「自然体」
「寄り添う」
「小さな空間」
「人生を変えた出会い」
「ご縁」

一つひとつは違う言葉でも、どこか同じ空気をまとっていることがあります。集めた言葉を眺めているうちに、

「この方らしさはここなんだ。」

と感じる瞬間があります。

「安心」と「寄り添う」という言葉が何度も出てくるなら、丸みのあるやさしい形が似合いそうだな。
「挑戦」や「未来」という言葉が多いなら、前へ進むような勢いや流れのある線がしっくりきそう。

そんなふうに、集めた言葉が少しずつロゴの形へと変わっていきます。
言葉が少しずつ形になってくると、「これだ」と思えるものが見つかります。だから無理にアイデアをひねり出すことはありません。
まずは、その人らしさが自然と浮かび上がるまで、言葉と向き合います。

その人らしさが見えたら、次にすること

輪郭が見えてくると、私は一度、机の前を離れます。もっとその魅力を引き出せるように、自分の感性を育てるためです。
気になったお店に入ってみたり。自然の中を歩いてみたり。本屋へ立ち寄ってみたり。

「この人の話を聞いてみたい。」

そう思った人に会いに行くこともあります。

「ロゴのヒントを探そう」と意気込んでいるわけではありません。ただ、自分が自然と惹かれるものに素直に反応してみる。

すると、

「この空気感、今回のロゴに取り入れたい。」

そんな瞬間に出会うことがあります。

新しい場所へ行くこと。
新しい人と出会うこと。
新しい感覚に触れること。

その一つひとつが、自分の引き出しを増やし、ロゴの表現につながっていきます。自分の感性を育てる日常も、私にとってはロゴづくりの大切な一部です。

だから私にとって、

「描いていない時間」は、ロゴづくりに欠かせない土台です。

私にとって、ロゴデザインとは

私のロゴデザインは、形を考えることからではなく、その人を知ることから始まります。

言葉を集めること。
その人らしさを感じること。
自分の感性を育てること。

その積み重ねがあるからこそ、「これだ」と思える形にたどり着けます。
そして、その感覚とご依頼者さまの「しっくりくる」が重なったとき。

「このロゴなら、その方らしさを届けられる。」

そう思えた瞬間、私の中でロゴは完成します。

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こんな絵も描いています

ロゴをつくるときと同じように、普段の作品も、日々の中で出会った人や場所、生き物、自然、宇宙、そのとき心が動いたことから生まれています。

ロゴ、絵画、イラスト。形は違っても、自分が感じたものをよく見つめ、そこから生まれたものを形にしていくことは、私の中ではどこかつながっています。

作品を見て、「これは何に見えるんだろう」「なんだか気になる」と感じたら、その感覚のまま自由に見てもらえたら嬉しいです。
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