言霊って、本当にあるらしい。

私は小さい頃から、神社が好きです。
母がよく連れて行ってくれていたので、神社はずっと身近な場所でした。
境内の神聖な空気、水の音、そこへ向かうまでの道。
小さい頃から何度も歩いているからか、今でも神社へ行くと、いつも通る道やいつも見る景色に、小さい頃の記憶と今の記憶をレイヤーのように重ねていって、それを身体が覚えていってるような感覚があります。

特別な日じゃなくても、「ちょっと休憩したいな」「会いに行きたいな」と思ったら神社へ行く。
初めての土地に行けば、まずは今いる場所から一番近い神社へ挨拶に行きます。
そんなふうに神社が身近にあったおかげで、大人になるにつれて、祀られている神様や日本に昔からある精神性にも興味を持つようになりました。

その中の一つが「言霊」です。

言霊とは、言葉には力が宿り、発した言葉が現実に何かしらの働きをもたらすという、日本に古くからある考え方。
「言霊」という言葉は、『万葉集』の時代にはすでに使われていたそうです。

そして、自分の人生を振り返ってみると、

「これ、私の人生でも当たり前のように起きているかも」

と思いました。

口にしたことが現実になっていた

例えば、「ここで働きたい」と口にしたお店で、本当に働くことになった。
そしてその経験が、私がイラストレーターとして仕事をするきっかけになりました。

「一度、本州で暮らしてみたい」「古民家に住んでみたい」
そう話していたら、後に京都の古民家で暮らすことになりました。

「海外の仕事をしてみたい」「本の表紙を描きたい」と言っていたら、英語を話せない私が、イギリスで出版される電子書籍の表紙を担当することになった。
▶︎ イギリスの電子書籍の表紙を担当したときの話はこちら

nicoが表紙イラストを担当したイギリス出版の詩集

「大きな場所に絵を描いてみたい」と言っていたら、2.5 × 6mの大きなガラス面に絵を描く仕事も経験しました。

苫小牧の店舗の大きなガラス面に白い線画を描いたnicoのライブペイント

一つひとつなら「たまたま」で終わることなのかもしれません。
でも振り返ってみると、自分が「やってみたい」と口にしていたことが、想像もしていなかった形で現実になっていることが何度もありました。

自分の言葉を、一番聞いているのは自分

「自分が言った言葉を、一番聞いているのは自分」と言います。
もしかしたら、言霊で大事なのはそこなのかもしれません。
「これをやってみたい」と誰かに話すことで、「言ったからにはやってみよう」と行動する理由にもなる。
でも、それだけじゃない気がしています。

自分の思いを言葉にして、声に出す。
そうすると、自分の身体もその願いを聞いている。

うまく説明できないけれど、身体が「私はこれを望んでいるんだ」と知って、意識していないところでも少しずつそちらへ動き始めてくれるような気がします。

自分の中だけにあった「やってみたい」を言葉にした瞬間、それは初めて自分の外へ出ていく。
誰かが知ってくれたり、自分自身の選択が少し変わったり、思ってもいなかったところから機会がやってきたりする。

私のこれまでを振り返ると、そうやって始まったことがたくさんありました。
だから今は、叶え方がまだ分からなくても、「やってみたい」と思ったことはなるべく言葉にするようにしています。

絵を描くことも、少し似ている

青い空とピンク色の雲、黄色い月を描いたnicoの絵画「夕方からはじまる。」

考えてみると、私にとって絵を描くことも少し似ています。
記憶や感情、ふと心が動いた景色。
まだ言葉にも形にもなっていない、自分の中にあるものを、絵にして外へ出してみる。

そうすると、その作品を見つけてくれる人がいて、誰かの記憶や感情と重なって、私一人では想像していなかったところへ作品が旅立っていくことがあります。

自分の中にあるだけでは、まだ誰にも見えないもの。
言葉にすることも、絵を描くことも、それを自分の外へ送り出すことなのかもしれません。

だからこれからも、「やってみたい」と思ったことは言葉にして、描きたいと思ったものは描いてみる。
これまでの人生がそうだったように、後から振り返ったときに、

「あのとき言っていたことが、ここにつながっていたんだ」

と気づく日が、また来るのかもしれません。

この記事とつながる作品

神社や日本の精神性に惹かれてきたことは、私の作品にもつながっています。
《日本を想う》シリーズは、伊勢で見た景色や日本の自然、そこから感じたことをもとに生まれた作品です。

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こんな絵を描いています

私は、ひとつの表現やテーマにこだわらず、宇宙や生き物、訪れた場所や出会った人、そのとき心が動いたことやワクワクしたことから生まれる物語を、いろいろな形で描いています。

作品を見て、「これは何に見えるんだろう」「なんだか気になる」と感じたら、その感覚のまま自由に見てもらえたら嬉しいです。

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Instagramでは、完成した作品だけでなく、制作している途中の様子や、悩んだり迷ったりしたことも含めて、絵が生まれるまでをそのまま発信しています。

日々の中で感じたことや、そこから何を考えて、どう作品につながっていったのか。完成した絵だけでは見えない部分も、一緒に楽しんでもらえたらと思っています。

「ちょっと気になる」と思ってくださった方は、Instagramでものぞいてみてください。

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